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メトロガイド>サヘル・ローズのコトダマ日詩 vol.25


サヘル・ローズのコトダマ日詩

信号機が青になって
人々が交差する交差点。


そんな光景を二階から眺めて
いま、キーボードを足踏みのように叩いている。


何処かでアナタと私
何処かで私とアナタ


肩をぶつけて
すれ違ったり


横の席で
向かい側で
後ろ側で


視線や空間を共有していて
案外 初めましてなのは
ほんの僅か かもしれない。


そんな事を考えていると 目線が合う。
ニコッと笑い返すと 恥ずかしがって、
目線を下ろす小さな女の子。


目線。


目という入口。
口という出口。


めでみて くちで つたえる。


シンプルな流れというのか 構造に人は出来ている。
だけど、このシンプルな 伝達がどんどん減ってきた そんな気がする。
いや、してしまいます 私なりの感じ方ですが。


メールというツール
ネットというレール
そこには 感情がいきるスペースがない。
便利な反面 誤解の導線でもある。


目という入口から
口という出口をたどる
耳がそこにはない。


そう、耳は コトバをみている。
みて感じてくれる そして
口へと誘導してくれる 案内人。



この 案内人が いまの便利な世の中で
減ってきたのかもしれない。


もしかしたら 知らないうちに
自分自身で案内人を追い出しているのかも。

だからかな 目線が下をむく。
手元の携帯 パソコン 地面と。

視線が絡まなくなったのは
視線が歩くのを止めたから

ふと。

そんな 切なさを感じた 交差点。
交差しない 視線と
つい、鉢合わせした視線。


ニコッと。


私の視線はキーボードを追いかけて
そして ふと。


笑いかけてみる。


目の前の 景色に。
それが
例え 壁であったとしても。


ここで 詩の国 イラン人ならではの 詩を。
下手ですが やはり 自分の感性は自分で磨くしかないのです。


冷えきった瞬間が足早に立ち去り
あなたの哀愁にみち目は その静けさの中で
世界の中で壁を造るそこから
もう逃げるしかなく わたしは横道へ


そこに 広がるのは 月に照らされた草原
そして 月光の湖


壁の先にあった 楽園



サヘル・ローズ ─Profile─
1985年、ペルシャ(イラン)生まれ。8歳の時に養母と共に来日。
育ててくれた母に恩返しをする為、将来オスカー像をとれる役者になるのが夢。
現在、「探検バクモン」(NHK総合) 進行役、「ノンストップ!」(フジテレビ)いいものプレミアムのコーナーなどに出演中。

最新情報はコチラ → http://excelling.co.jp/
サヘル Twitter → https://twitter.com/21Sahel

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