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メトロガイド>サヘル・ローズのコトダマ日詩 vol.32


サヘル・ローズのコトダマ日詩

ふりかえる。


という事は、なるべくしたくない。
ですが、12月だけは許されてしまう


ふりかえりの12月。


ん。うん。


なんで言葉を残すのだろう?
自分の考えを書いたり
感じた事をここに、
世の中に提示するのだろう?


表現者という職業は素っ裸な職業。
どんどん裸にされていく。


不思議なのは最初の頃は喜んで
私という人は これです!
と世の中に提示できていたのが、
どんどん恥ずかしくなり、
脱ぎ捨てるどころか厚着になっていく。


そして見えてくる真実味のある現実と空想。


その二つを割って程よい仮装が、
表現者の衣装。


今年の漢字一文字。
なんですか?


わたしは『影』です。


ネガティヴに一瞬感じた方。
違いますよ。
これはポジティブな考えですよ。


『影』を感じたのは、
そこに『光』があり
『光』を浴びたから得た
『影』なんです。


ふりかえるたびに
心の中で浮かび上がる言葉が昔からある。


わたしの後ろには
わたしの足下には
影がない、
私には影がない。


私が表現という道を歩いていく中で、
影のないこの存在に違和感があった。


これでまた歳を重ねて
そして歳月も重ねていく


けど、感情の中に重なる陰影がなかった。


いや、あったはず。
あったはずなんだけど、
放射の術が分からない、
分からなかったのが事実。


いま、はみ出すのがこわい世の中。
はみ出して美学になる人もいれば、
はみ出しては弾かれる人もいる。



ゆるされるひと
許されない人。


その紙一重の差。
そう重ねてる何かが、
この差が分からない。


わたしは常に模索していたい。
というのか、
模索することでしか発電できない。


発電して『光』を生み出さないと『影』にすらなれない。


この『影』をみつけた2016年。


世の中にも、
世界的にも、


『影』が目立っていた気はします。


紛争や政治、
自然災害や芸能など
あらゆる面で人々の『心に影』を残していった 1年 。


けど『影』には『景』がある。
だからその先には
『光景』、『景色』、『景気』
が必ずあると信じている。


『影』と『光』


あなたはどっちですか?
あなたの言葉は素っ裸ですか?


いつかは 言葉になる。
生きる時は『影』を身にまとい
あの世に行く時は『言葉』になる。


それが、
明確にみえた2016年を歩いてきた
私のコトバ。


ありがとうございました。
2016年も大変、お世話になりました。


そして、


あけましておめでとうございます。
2017年の地球人へ。



サヘル・ローズ ─Profile─
1985年、ペルシャ(イラン)生まれ。8歳の時に養母と共に来日。
育ててくれた母に恩返しをする為、将来オスカー像をとれる役者になるのが夢。
現在、「探検バクモン」(NHK総合) 進行役、「ノンストップ!」(フジテレビ)いいものプレミアムのコーナーなどに出演中。

最新情報はコチラ → http://excelling.co.jp/
サヘル Twitter → https://twitter.com/21Sahel

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